熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~
ただ、ちょっと触れただけなのに、
ファイサルは言葉を失って
私のことを見つめている。
「美夜……」
「どうしたの?ふざけたから怒った?」
「違うよ、美夜……」
「ん?」
「頼むから、もう一度キスして。
頬じゃなくて」
「どこにして欲しいの?」
いつも冷静な目が
熱っぽくじっと切なく、見つめ返してくる。
さっきの続きだ。
彼には、散々振り回されたんだから、
この際、楽しんでやろう。
「美夜、お願いだから、
そうやって焦らすのは止めてくれ」
今度は、キラッと鋭い目つきで見つめてくる。
どうしよう。
なにか、まずいこと言ったかな?
ちょっと、やりすぎちゃった?
怒ってるみたいに、本当に怖い顔してる。
「ね、怒らないでファイサル。
だって、どこに
キスしたらいいのか分からないもの」
時間稼ぎ。
はぐらかせば、はぐらかせるほど、
まずいことになりそうだ。
「君の方から、してくれるなら、どこだっていい……」
彼の鼻のてっぺん。
一番高いところに、
伸びあがってキスをする。
それから、少しずつ下がって、
唇を外していく。
「美夜、君が意地悪だってよくわかったよ」
「だって、あなた耳まで赤くなって……」
ええっ?
すごく赤くない?
耳だけじゃなくて、
顔が赤いのがハッキリわかる。
「嬉しいよ美夜、君の方から、
私にキスしてくれたのは、初めてだね。
嬉しくて泣きそうだ」
恥ずかしそうにうつむいてしまった。
からかおうと思ったのに、
大きな男が、そんなふうになってしまうと何も言えない。