熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~
「ファイサル?」

『美夜……
頼むから、私がいなくても
大丈夫なんて言わないで。

美夜に抱かれていないと、
私の方がダメなんだ。

美夜の胸の中じゃないと
安らげない。
美夜に抱かれていないと眠れない」

「美夜?好きだよ……」


「美夜は、誰が好き?」

彼は、私を腕の中に抱いて、何度もそう言った。

「あなたが好き」
「愛してる」

何度も魔法の言葉を使ったのに、
彼は、その言葉に満足しなかった。

嘘でもいいから、
彼が傷つかないようにすれば
よかったのだろうか?


彼の気持ちを、
どうやって静めてあげたらいいのか
分からないまま、次の日の朝を迎えた。



明るくなった部屋に、
彼の姿は、どこにもいなかった。



私の体中、いたるところに
痕跡だけを残して消えていた。

あの時と同じ、
そこにいたっていう証拠を残して
きれいさっぱりいなくなっていた。

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