熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~
離れてるとだんだん冷静になって、
自分が外国に住んで
その王族の一員になるなんて、
ますますあり得ない話に聞こえる。
大丈夫だよと、
ファイサルが耳元でささやくと、
何でもできてしまう気がするけれど。
それでも、出来ることには限度がある。
千紗が言う通り、
私は、普通の一般人で絶世の美女ではない。
由緒ある古い家の出身だとか。
そんな特別な人間でもない。
ファイサルの周りにいる人たちは、
そういう人たちだ。
白鳥の群れに、
アヒルが混じってるようなものではないか。
一人になって冷静になると、
ますます現実的じゃない。
いくらファイサルが、
『第一王子の奥さんって言っても、
普通と変わらないよ。
私の隣で、みんなに微笑むけだから』
と言っていた。
それに、
何が日本の岡山県と同じなんだろう。
『美夜、ビジャールと言っても、
岡山県の広さと変わらないよ。
だから、ビジャールの王は
県知事みたいなものさ』
そんなわけないだろう。
だいたい、普通ってなんだ?
県知事さんてどんな仕事してるんだ?
寝起きでコンビニに買い物に行くなんて、
彼が言う普通では、
あり得ないだろうし。
サンダルにノーメイクで
近所をふらつくなんて無理だろうな。
そもそも、ビジャールに
コンビニなんてあるのか?
ごく普通の女でしかない私にとっては、荷が重い。