熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~
「自信がないからなんて、
単純なことじゃない。
そんな理由で踏み切れないんじゃなくて……」
ファイサルは、
断られても諦めないって言ってた。
「彼のやり方は、有無を言わせない。
私がダメだって言っても、
結局は聞いてくれないの」
「強引だっていう訳ね」
千紗は、ヒューッと口笛を吹く真似事をする
「ええ、その証拠に、まず、
彼が私にしたことは、私から仕事を奪おうとした。
仕事をしなくなれば、断る理由がひとつなくなる」
「仕事を奪うって……」
「他の男性の目に触れさせたくないって
言いながら、実はガイドの仕事から
遠ざけようとしてる」
「でも、どうして美夜みたいな普通の子に、
そんなに手間をかけるの?
ファイサルの側にいたいっていう女性なんて
掃いて捨てるほどいるのに」
「そんなことわからないよ。
彼がどうして私に執着するのかなんて……」
千紗は、じいっと私を見つめていた。
「何かが引っ掛かってるんでしょう?
だから、思い切って
ファイサルのもとに行けないんじゃないの?」
「引っかかってるって、なんのこと?」
彼女が人の入ってくる気配に気づいた。
「ほら、ちょうどいいタイミングだわ」
千紗は、店の入り口に向かって手を振った。
ゆっくり振り返ると、池山さんが立っていた。
「あんたが思いきれない原因。連れて来たから」
「千紗……」
「ファイサルも近くにいないみたいだし。
二人きりになって見たら?」