熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~
「本当ですか?それはよかった」
彼の顔が、ぱっと明るくなる。
それとも、彼は遠くから来て、一時的に東京に滞在するだけかもしれない。
すぐに、こっちからさようならというのも気の毒かな。
なんて彼に好意的に思い始めている。
ああ、笑顔1つでこれだから……
「それなら、充分に時間ありますね。一緒に食事をしていただけませんか?」
背中に手を添えて、にこやかにエスコートしてくれる。
すっと腰のあたりに手を伸ばして、彼は、私の体を自然に引き寄せた。
「ええ、いいわよ。何がいい?」
腰を引き寄せたまま、彼は頭のてっぺんにキスをした。
んん?
ファイサル、近すぎるって。
「インペリアルのレストランでいいですか?
ここは、よく利用してるし、五分もかからずに移動できるので」
「ええ、そうね」
ちょっと食事にしては高いけど。
彼は、すぐにボーイを呼んで用件を伝えた。
用事を頼んだボーイさんがすぐに戻って来て、すぐに席が整えられ移動できますと言いに来てくれた。
インペリアルのレストランも、仕事で何度か訪れたことがある。
あるけど。
いずれも、こんなバカ丁寧な接客を受けたことはなかった。
あり得ないほど、丁寧に恭しく案内される。
なぜか夜景の見えない個室を用意され、メニューの説明を受けると二人きりにされた。
二人っきり。誰もいない。
彼は、レストランでフレンチのコースを注文した。
それでいいかな?と一応聞いてくれたけど。
ステーキにハラール( イスラーム法で認められた)肉が使われているくらいで、食材もアラブっぽいものはなかった。
彼は、自分はお酒を飲まないけれど、美夜先輩は飲んでくださいと注文してくれた。