熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~
――美夜。悪いけど、今すぐインペリアルホテルに来てくれないか?
それから、しばらく時間が過ぎた。
ある日、自宅に居たら池山さんから、いきなり電話をもらった。
サークルの急ぎの用事はないし、池山さんが、すぐに私に会わなければいけない理由も、思い浮かばない。
それなのに、私はすぐに出かけていくつもりでいた。
出かける理由なんてなんでもよかった。
私は、池山さんに憧れていたから。
学業も優秀で、サークルでも
率先して人をまとめる力がある。
行動がスマートで、後輩にも優しい。
甘いマスクなうえに、背まで高くすらっとしている。
それなのに、誰かと付き合ってるという噂も何もない。
自分だけは、特別だなんて思ってしまった。
電話を受けて、急いで私はホテルへ向かった。
ロビーで待ってるから。彼はそう言って電話を切った。
私は、彼の話を鵜呑みにしてしまった。
いくら池山さんでも、
インペリアルに呼び出すなんておかしい。
学生とは無縁のホテルに、どうして私を呼びだしたのか。
おかしいなんて全く考えなかった。
彼が、ホテルの部屋で待ってる。
それだけで、頭がどうにかなりそうだった。
何も考えずにホテルへ急いだ。
ホテルのロビーで私を待っていたのは、池山さんではなかった。
『おい、こっちだ』
不機嫌な顔をしたムスタファが、私を待っていた。
乱暴な英語を吐き捨てるように言うと、ついてくるように言う。
こんな状況でも、私は池山さんのことを疑っていなかった。
私は、タワー館の部屋に案内された。