熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~


部屋のドアを開けるまで、池山さんが私を待ってると疑わなかった。


中にいたのは、
池山さんではなく、ファイサルだった。

ムスタファに入るように言われて、私は素直に中に入っていった。

ドアが開いたら、応接セットの椅子に、だらんと力なく座っているファイサルの姿が見えていた。

だから、ムスタファについて部屋の中に入っていくなんて、信じられない行動を取ってしまっのだ。

何があったんだろう。

彼は、憔悴しきっていていた。

ファイサルのこんな姿、見たことがない。

いつもは、自信たっぷりな態度なのに、今は欠片も見られない。


テーブルにウィスキーのボトルとグラス。

グラスには、ウィスキーの琥珀色の液体が入っていた。

ファイサルは、薄めずにそのまま飲んだみたいだった。

『ウィスキーのの味方も知らないの?』
私だって、ウィスキーに慣れてるわけじゃないけど。

飲みなれてない人が、お酒を薄めずに飲むのは、喉が焼け付くようになって難しいことくらい知っていた。

彼は、一口飲んであきらめたのだろうか?

『ムスタファ、水持ってきて』
私は、英語で彼に頼んだ。

ムスタファは、機嫌を損ねたように悪態をついたけど、私の言う通りにしてくれた。
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