熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~
水の入ったグラスを持ってファイサルの体を起こした。

『少し飲むといいわ』

私は彼の口元に、水の入ったグラスを持っていく。

ファイサルは、お酒を、結構飲んでいた。

そして、かなり酔っていた。

宗教上禁止されているはずだから、
彼は、これまでアルコールを一度も、口にはしてこなかっただろう。

『大丈夫?アルコールなんて初めてでしょう?』

彼は、気だるそうに顔をあげた。

『これを飲めば、何もかも忘れられるって聞いたんだけど。
そうはならないのは、どういうことだ?』

アルコール臭かった。
ひどい状態。

『きいてるのは、酔っている間だけのことよ。
いくら飲んでも、酔いが醒めてしまえば同じ』

私は、ファイサルに無理やり水を飲ませた。

『ひどく熱い。喉が焼けるよう』

『もう少し、お水を飲んで』

『君が飲ませて』

『ふざけてると、帰るわよ』

『嫌だ。ここに居てくれ』

その日の彼は、変だった。

情緒不安定で、どう扱っていいのか私にも分からない。

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