熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~
お酒臭い、酔った男とのキス。
『美夜……』
彼は、私に体にしがみついてきた。
『じゃあな、ファイサル。俺は部屋の外にいる。久しぶりだろ?楽しめよ』
ムスタファが寝室を出て行く音がした。
『美夜……ごめん』
私は彼のキスから、逃れようとして身をよじった。
『ファイサル、やめてお酒臭い』
優しく触れるようなキス。
見つめあって、心を通わせ合って。
思い描いていたキスと違った。
そんなキスがいいと思ってたのに。
ファイサルには、相手を気遣う余裕は、ないみたいだった。
彼は、広い海の上で溺れそうなほど、何かにしがみつきたがっていた。
『美夜……』
ファイサルは、私の体に必死にしがみついてきた。
私のせいで、欲望を掻き立てられたというのと違う。
何かに頼りたい一心で、苦し紛れに手にしたもの何でもいいから、触れたものにすがり付いてくる人みたいだった。
『美夜……君が好きなんだ。美夜を抱きたい』
『ファイサルそんな言い方止めて。
あなたの気持ちは分かってるけど、私はそうじゃないの。ずっとそれは伝えて来たよね?』
私は、彼の胸に手を当てて突き放した。
『美夜、どうしても美夜が欲しい。だから、嫌だなんて言わないで』
『ファイサル、何度言っても同じ。私はあなたのこと愛してない』
『君は、池山が好きなんだもんね』
『あなたには関係ない……』
『美夜、池山は君のこと、
恋人だとは思ってないよ。
じゃなきゃ、大事な女性を、
私のもとに連れてくるわけないだろう?
取引したんだ。
池山を丸菱に入れてやるって。
私の条件は美夜だ。
美夜をくれるなら、商社に口をきいてあげるって言った。
そうしたら、池山はすぐに協力してくれたよ』
『そんなの嘘よ』