熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~
『美夜、私の国の女性はね、私に対してこんなに感情を露わにすることはないんだ。
どんなにひどいと思ってることでも、私のような立場の男には、言い返したり、命令されたことを拒んだりしない』
『ファイサル、あなたのいうことは分かるけど、こんなやり方は気に入らない』
無駄だと分かってても、抵抗する。
『美夜、やっぱり、この私を、何でもない人間として扱ってくれるのは、君しかいない。
君は最高の女性だよ。君に励まされると勇気が湧いてくるんだ。
私が抱きたいと言ってるのに、断る女性も広い世界をさがしても、君しかいない……』
悲しいのか、泣きたいのか分からない。
ファイサルは、そっと顔を近づけてくる。
『ダメ。これ以上近づかないで』
キスをされるのかと思った。
ファイサルの形のいい唇は、わずかに上にそれて、おでこに触れた。
力が抜けたところを、ギュッと抱きしめられる。
『美夜、抱きしめて。美夜に抱かれてると気持ちが落ち着いてくるんだ。
君を今夜ものにできれば、生きて帰って来られる気がする』
『生きて帰って来られるですって?
ファイサル、なに言ってるの?』
『キスしたい』
『ファイサルったら。
ダメ、誤魔化さないで。
……ちゃんと話して』
『君は優しい人だね。愛してるよ、美夜』