熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~
池山さんはすぐにオフィスに戻ると言って、あわただしく食事を済ませると店を出て行った。

「あり得ないほど積極的ね」
彼の背中を目で追いながら千紗が言う。

「うん」

「でもさあ、美夜。先輩のこと拒絶しないってことは、彼でもいいって思ってるんだ」
彼でもいいかどうかは、よくわからない。

わかってるのは、やっと気持ちが通じたと思った途端、相手が消えていなくなったことだ。
しかも、同じ相手に。
そのことを考えないでいると、どうも、思考自体がストップしてしまう。

「もう、断るのも、受け入れるのも疲れちゃったのかな。
流されていくのもいいのかも知れないと思い始めた」

「ファイサル、3度目の正直だってあるかもよ」

「冗談でしょう。もうあり得ない」
もう、期待するのはごめんだ。

だって、最後に別れの挨拶をしたってことは、「待つな」っていうことだもの。



それに。

ファイサルの国籍が抜けられなかったのだ。

私たちの結婚は、受け付けてもらえなかった。

あとから、役所から連絡が来た。

よくわからないけど、そういうことになったらしい。

私は、戸籍上も彼と何の繋がりもなくなってしまった。
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