熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~
出発ロビーから、隣接するホテルに入ったところだった。
「好きも何も、もう会えない人のこと当てにしても仕方がないし、池山さんは、本当に私のことが好きなわけじゃないと思ったから」
「ふーん、池山さん、あれだけ積極的に誘ってたのに、違うって思うんだ」
「どこか無理してるような気がしたの。何か義務感からそうしなくちゃいけないって思ってる気がして」
「そっか、一応答えは出してたんだね。それじゃあ、私、チェックインしてくる」
千紗がここで待っててと言って、フロントの方に歩いて行った。
「うん、ありがとう」
一歩だけ後退った。
どしんと、また何かにぶつかった。
「すみません。前を見ていなくて」
私は、振りかえいざまに謝った。
今度は、歩いていたわけじゃない。
軽くよろめいて、ぶつかった相手に腕を支えてもらった。
「大丈夫かい?」
「はい、すみません……」
お腹もぶつけていない。
大丈夫。
「君一人の体じゃないんだろう?」
しっかり腕を支えられていた。
「ええ、どうしてそれを?」
「気を付けてもらわなきゃ、habibti 私の可愛い美夜」
こんなところで、声が聞こえるわけないのに。
どうして聞こえてくるの?