熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~
人が入ってくる気配がして、
そのうちファイサルの声が聞こえて来た。
彼一人ではない。彼の部下がいるのだろうか?
アラビア語で、何か揉めてるのか。
誰かに幕しててている。
ファイサルは、私の姿を見つけると、
部下との話をピタッとやめた。
「美夜?」彼は、黙って私を見つめている。
『信じられない……』
そうして、しばらく見つめあっていて、
私の名前を呼んで私の元へ駆け寄って来た。
そして……
「これが、本当にあの美夜か?」
「ええ、そういうの
馬子にも衣装っていうのよ。知ってる?」
『いいや。信じられない……』
不名誉なことに、彼は、期待外れだったのかな。
拍子抜けしたように、息を吐きだすと、
アラブ語で何度もそう付け加えた。
私は、聞こえないふりをして、彼に微笑んだ。
お金をかけただけの価値がなかったって、
思われてもいいや。
まあ、それならそれで仕方がないけど。
元が元だもの。
いくら磨いたって、彼にすり寄ってくる、
モデルさんのような女性にはなれない。
拾ってきた野良犬を、きれいに洗っても、
血統書も付いた美犬にならないのと一緒だ。
きれいになったっていう程度なんだから
。
何と言っても、その辺にいる女なんだから。私は。
「美夜、その服とっても似合ってるよ。さあ、行こう」
彼は、軽くこめかみにキスを落とすと、
エスコートするために腕を差し出した。、