熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~


その瞬間、パクッとやられた。
彼の唇が、
大きく開いて私の口を覆ってしまった。

ザラっとした彼の舌が、唇に触れた。

止めてと、
体を離した時には、もう遅かった。

岡本さんはじめ、この場にいた全員が固まった。
ファイサルのすることを興味深く見ていた。

私が一年もかかって作り上げて来た信用を、
この男は、一瞬でパクンと食べてしまった。

「あ~あ」背中で岡本さんの声がした。

「ファイサル、止めて。ここは私の職場よ」
真っ赤になって、抵抗する。

ここは、暴れてでも彼の腕から逃れたいんだけれど、
彼の身長からすれば普通の背丈の男性が、
小学生くらいの女の子を抱っこしてるのと変わりない。

暴れるだけ無駄だ。
彼は、この状況を楽しみながら言った。

「ん、そうだね。でもね美夜、なんと、
この会社は、私の職場でもあるんだ。今日からね」

「はあ?」
「君は、今から私の部下だ。しっかり働いてくれたまえ」

だから、こんな理不尽なことする理由があるって訳ね?

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