熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~

新学期が始まって、
新入生を呼び込むための勧誘は期間が決まっている。

授業の単位登録するために、
試しに授業を聞いてもいいことになっていて、
期間中新入生が教室を渡り歩いてうろうろする。

そのあたりの一週間だけ、
クラブやサークルの勧誘活動を
していいことになっていた。

期間中は、大学の正門から
教室までが人でごった返していた。
一年生らしい学生がいれば、みんなに声をかけた。

明らかに日本人じゃないと思っても。

その男の子は、学生が急にどっかから
湧き出してきたみたいに、
こんなに集まってどうしたんだろうと、
戸惑っていたように見えた。

「イラン人かな?イラン人じゃダメかな?」

遠目で見ながら聞こえないように、
仲間の一人が言う。
「さあ、留学生でもいいんじゃない?」

彼の風貌は、
背が高くすらっとして足が異様に長い。

体格からして、どう見ても日本人には見えなかった。
「そうだよね」
「声かけようか?」
「でも、外人だよ。俺、英語で話せない」
とこっちを見る孫田君。

「俺も」

「とりあえず、行くだけ行けば?」
「あ、じゃあ。英語ができる小野さんで」
「ええっ?私一人で行くの?」
「後ろで、見ててやるよ」

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