熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~
私たちがぐずぐずしている間に、
お揃いのジャンバーを着た、
となりのサークルの女の子たちが、
外国人の男の子を囲んで話しかけていた。

「テニスってって、興味ありますか?」
女の子がキャーキャー言いながら、話しかけてる。

彼は日本語がよくわからないみたいだった。
戸惑いながら、
何度か聞き返えす仕草を繰り返していた。

「小野さん、先越されたじゃないですか」

孫田君にそう言われて、面白くないと思った。

「じゃあ、孫田君がああやって声を裏返して、
話しかければいいじゃないの」

「嫌ですよ」

その外国人の男の子は、一人でポツンと立っていた。

すらっとしたのっぽくんで、
隅っこの方でじっと様子をうかがうようにしていた。

彼は、アメリカの大学のロゴが入った
紺のパーカーにジーンズ。
頭はフードですっぽりと覆われていて、
顔はよく見えなかった。

彼は、女の子たちが目の前をうろつき、
話しかけても全然、口を利こうとしなかった。

だんまりを続けている。
明らかに迷惑そうに相手をしてるけど、
女の子たちは構わず付きまとってる。

話しかけても、目を見ようとしないし、
あっちへ行けっていう態度で背中を向けている。

露骨に嫌がるようになってきた。
他の男の子とまったく違う反応だから気になった。

女の子二人は、彼の腕をつかんだり、
こっちを向かせようと腕を引っ張ったりしていた。

つれなくされると、
余計に構いたくなるんだろうなと、
人ごとのように思っていた。

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