熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~


「ねえ、あなた留学生なの?
えっとね、私もアメリカに
ホームステイしたことあるのよ。
だから人の輪に入れないっていう気持ち分かるわ」

「ねえ、日本語話せないんでしょう?
教えてあげるから」


『頼むから、あっちへ行ってくれ』

矢継ぎ早に話しかけられて、
イラついたのか彼は、女の子を追い払おうとした。

彼女たちは、彼の反応に気が付かないまま、
諦めずにべたべた彼にまとわりついた。


彼は、目立たないようにうつむいていたけれど、
うるさく付きまとわれて、時々顔を上げて何か話してる。

ここまでは、声が小さくて聞き取れない。


「揉めてるのかな」
孫田君がちらっと見て言う。

「関係ないよ。早く片付けよう」

おおかた新入生たちも通り過ぎて
人の通りも途切れて来た。

さっきから、池山さんの
そろそろ片づけようかって声が聞こえていた。

さっきのやり取りをまだ続けていた。

帽子のフードから、
ちらっと見えた彼の容姿は、
鼻筋が通ったハンサムな顔立ちだった。

その上、背が高くてすらっとしてる。
足だってめっちゃくちゃ長い。

外国人で背の高いイケメンだから、
しつこく声をかけるのも分かるけど。

あれじゃ、嫌われちゃう。



そうこうしているうちに、
もう一人別の男の子がやって来た。

外国人だ。

まとわりつかれてる男のとよりは、背が低い。

でも、体格はガッチリしていた。

彼の方は、女の子たちのことを
嫌がってはいなかった。

背の高い方にまとわりついていた女の子を、
二人とも引き受けて楽しそうに話し出した。

言われるまま、腕を引かれてこっちへ向かってきた。

背の高い方も一緒について歩いてきた。

『テニス?さあ、あんまり得意じゃないよ』

時々、男の低い声が聞こえてくる。

女の子たちは、もう一度同じ話を始める。

そうして身振り手振りで聞き出して、
仲間に引き入れようとしている。

『できなくても。大丈夫です。
単なる飲み会サークルなんで』
片言の英語と身振りで会話を続けてる。

『テニスサークルなのに、テニスはしないんだ』
後から来た黒髪の縮れ毛の方が、
バカにしたように言う。

『はい、女の子も選び放題です』

『ふうん、そういうこと?
一人ずつ相手してくれるの?』

『冗談だろう?マジで?』

『いただいちゃっても、本当にいいの?』

後から来た方が、背の高い男に話しかけてる。

さっきと打って変わって、
縮れ毛の男が女の子たちを舐めまわすように見る。

『えっと……』

『じゃあ、まずは君から相手してくれるの?』
男も目が、遠慮なく胸元に注がれてる。

『相手?』
会話の行き先がおかしくなった。

女の子は、ショートボブの
胸の大きい小さなかわいい子だった。
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