熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~
『彼女の名前は、何と言うんだ?』
彼は、すでに輪の中から離れたところに
立っていた。
視線が私に注がれているのに気が付く。
『彼女って?』
池山先輩が、
のっぽの方に言われて私の方を見る。
『美夜のこと?』
自分の名前が出された。
やっぱり、間違いない。
とっさに振り返った。
『そうだ。あの女だ。私はあの女が欲しい。
あれをくれるなら、
ここに入ってやってもいい』
声を落としてないから、
何て言ったのかしっかり聞こえた。
なんてストレートな会話だ。
彼は、子猫をくれとか、
スーパーで、肉の塊でも買うみたいに言う。
頭がどうかしてるとしか思えない。
さすがに、
池山先輩こんなに頭がおかしいのは、
追い返してくれるだろう。
『えっと、申し訳ないが……』
うん。そうよ。早く断って。
そして、どっか行ってくれ。
『君の英語は、間違ってる。
正しくは、こうだ。
私は、彼女と親しくなりたい。
だから、このサークルに入会したい。
わかった?』
ち、ちょっと待って!先輩。
『先輩?なに言ってるんですか?』
慌てて池山先輩に詰め寄る。
のっぽの男は、
にこっと微笑んで池山先輩と握手をする。
『私は、彼女と親しくなりたい。
だから、このサークルに入会したい』
彼は池山先輩の言う通りに、
英語で繰り返した。
「 Good job!」
二人は握手して入会名簿にも
名前を書いてしまった。