熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~


ファイサルと名乗った彼は、
打ち合わせが終わっても、
帰らずにじっとこっちを見ていた。

私たちが帰るまで、待っていたのだろうか?
それとも、怒ったのだろうか?

だったら、机でも蹴っ飛ばして
出て行けばいいのに。
どうもそういうのと様子が違う。

『新入生は、もう帰っていいはずよ。どうぞお帰り下さい』
私は、二人に向けて言う。

気分を害すくらいなら、来なくてもいいのに。
『美夜』
いきなり名前で呼ばれて、びっくりした。
ファイサルがすぐ横に立っていた。

『美夜。私は、自分の言葉を撤回する気はない。
君が欲しいという言葉もだ』

彼は、これ以上ないというほど尊大に言う。
『欲しいって。私はものじゃないです』

『手に入れれば、それがものでも、
ものでなくても同じことだ』

えっと……
何ですか、この人は。
人を何だと思ってるの。

『こんな女、無理にやっちまえばいいのに』
ムスタファが横槍を入れる。
横にいる人は、もっと気が短いらしい。

『ムスタファ!口を慎め』

怒られて、ピタッと本当に、
急に大人しくなった。

『もめごとは、なしだぞ』

池山先輩が止めろよと言って、間に入って来た。

『私は、欲しいものは必ず手に入れる。
これまで諦めたことは一度もない』
無口で大人しいのかと思ったら、
迫力のある声だった。

手に入れるって、どういうことよ?
まさか、自分の国に連れてくってこと?
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