スパダリ副社長の溺愛がとまりません!
亮平さんはア然として、すぐに私の腕を引っ張り部屋の中へ入らせた。

「いくら暖かいといっても、夜は肌寒いんだ。そんなに長い時間、外にいるもんじゃないだろ?」

「ごめんなさい……。亮平さんのことを考えていたら、時間の感覚がなかったみたい」

苦笑いをする私に、亮平さんは表情を崩さず静かに言った。

「実和子への気持ちは、この先も変わらない。俺は、萌との過去に未練はないんだ」

「はい。私も、亮平さんを信じています……」

「ただ、俺を忘れられないでいるあいつを、どうやって前に進めさせてやれるか。それは考えていた」

彼の言葉に小さく頷く。亮平さんは、本当に優しい。仕事で忙しいのに、私や萌さんのことも、ちゃんと考えてくれている。

こんな優しさを手放した萌さんには、絶対に亮平さんを返さない。心の中の密かな決意と、胸の高鳴りの感じながら彼を見つめた。

「そのせいで、実和子に辛い思いをさせたのなら、それは心底後悔している。今、俺が大切にしたいのは、実和子だから」

「亮平さん……。嬉しいです。そんなにまで、私を想ってくれることが」
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