スパダリ副社長の溺愛がとまりません！
「そうですか……」

心配させたうえ、迷惑までかけてしまった……。仕事が忙しいのに、私のために来てくれるんだ。

だけど、どんな顔をして会おう。あまりにも、気まずい。

「橘さんに事情を説明したかったんだけど、かなり取り乱されていたから、まだ話ができてないの」

婦警さんは私の隣に座ったまま、申し訳なさそうに言った。

「じゃあ、かなり心配してますね……。ホント、迷惑かけちゃった」

呟くように言うと、婦警さんは首を横に振った。

「違うわよ。悪いのは、小島たちでしょ？」

と言われたとき、ドアがノックされ亮平さんが入ってきた。

「あ、亮平さん……」

思わず立ち上がると、亮平さんはドアのところから立ち尽くしたまま、呆然と私を見ている。

服を破られて、毛布にくるまれている私の姿は、亮平さんが状況を理解するには、時間が必要らしかった。

「頬に傷があるじゃないか……」

ようやく亮平さんが口を開いたけど、顔も声も強張っている。

「これ？ 圭介に叩かれて……」

引っ掻き傷ができている頬に手をやった途端、亮平さんが駆け寄り私を抱きしめた。
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