スパダリ副社長の溺愛がとまりません!
「は、はい……」

不安なら、山ほどある。本当に、亮平さんとうまくいくのかとか、この先どんな付き合いになっていくのかとか……。

恋愛初心者の私には、それを口に出す勇気もないけど……。


私が住んでいる場所は、中心地から電車一駅分で、低層マンションが連なっている。

一人暮らし用の部屋がほとんどで、近くには小さなスーパーや、信用性の低そうなさびれた医院がある。

飲食店といえば、居酒屋やラーメン屋といった店ばかりで、決して進んで住みたいほど環境がいいわけじゃない。

だけど、オフィスまで一駅で家賃も安いという理由から、私はここへ住んでいる。

「もう少しで、俺のうちだから」

「はい」

走ること十五分、亮平さんの車は駅前にやってきた。新幹線や在来線が停まる駅で、昼夜問わず賑やかな場所だ。

複合施設が近隣にあり、休日はファミリー層でも溢れかえる場所だった。

「亮平さんのご自宅って、この辺りなんですか?」

「そう、あそこ」

と亮平さんは言って、車はタワーマンションの地下駐車場に入っていった。

ここは、駅前に建っている高級タワーマンションじゃない……。

富裕層が住むマンションとして、かなり有名だった。
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