スパダリ副社長の溺愛がとまりません!
いったい、どんな人が住むのだろうと思っていたけれど、亮平さんのような人が住むんだ……。

「あの、ご実家は? 別の場所にあるんですか?」

亮平さんは車を停めると、エンジンを切った。周りも高級車ばかりで、ため息が出てくる。

「実家は、オフィス街のマンションだ。大丈夫、いきなり親父に会わせたりしないから」

亮平さんはニッとすると、車を降りていく。私も慌ててシートベルトを外すと、あとに続いた。

「すみません。そういうつもりじゃなかったんですが……」

「いいよ、気にしなくて。それより、少しはくだけた言い方をしてほしいな。まだまだ、他人行儀な気がして」

「はい……。気をつけます」

亮平さんは私の手を取り指を絡めると、エントランスへ入っていった。そこは、茶色のモノトーンで統一されていて、落ち着いた雰囲気だ。

コンシェルジュのカウンターや、壁掛け時計。それに待合用なのか、ソファーとテーブルセットが三組、やはり茶系でまとめられていた。

「まるで、ホテルのロビーみたいですね」

エントランスを見回していると、コンシェルジュから郵便物を受け取った亮平さんがフッと笑った。

「エントランスより、部屋の方が感動してもらえると思うよ。さあ、上がろう」
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