スパダリ副社長の溺愛がとまりません!
一緒に仕事をしていたときも、亮平さんは私の意見を真剣に聞いてくれていたっけ。

トラブルのときも、助けてくれた。そのときの記憶が蘇ってきて、そんなに前の話じゃないのに、懐かしくなってくる。

「実和子、こっち。リビングの窓から街が見下ろせるから」

「え?」

亮平さんに案内されて廊下を歩くと、広いリビングに着いた。黒色の革のソファーに、ガラスのリビングテーブルがある。

テレビとその横にはスピーカーが置かれていて、さらに奥にはキッチンがあり、カウンターテーブルがある。

対面キッチンで、キレイに片付けられていた。ワインセラーもあり、亮平さんの生活を垣間見た気分だ。

「ほら、部屋のインテリアチェックはあとにして」

冗談っぽく言った亮平さんは、私の腕を軽く引っ張り、窓の側へ連れていってくれる。

バルコニーへも出られる窓からは、彼の言葉どおり市街地が見下ろせた。

「わあ、本当ですね。すごく見晴らしがいい! 夜景もキレイじゃないですか?」

こんな高い場所から街を見下ろしたことなんてなく、少し興奮気味に言った私に、亮平さんはクスクス笑った。
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