甘くもビターな恋の味。
「何だったんだろう…」
そうつぶやき、先生が来るまで机に伏せていようと思ったら
「あ、さっきの子じゃん」
右から声をかけられた。
声の方に向くと、確かに見覚えがあるような…
「僕だよ、ぶつかられてない方の」
それを聞いて、思い出した。
さっき、手を貸してくれた人だ。
無言は悪いよね。何か言わないと…
「あの時は本当にごめんなさい。あれでもぶつかってないならありがとうございますか。
あの時はありがとうございました」