いつも、雨
でも、お義父さまは?
浮気してらっしゃるとも思えない。
……竹原は、千歳さまの遊びは把握できても、お義父さまには女性の影も男性の影もないと言っていたわ。
わたくしが……わたくしの立場で言えることではないけれど……お義父さまは、お幸せなのだろうか……。
「……領子さん。私たちはね、他人じゃないんだよ。……数え切れないほどの婚姻を繰り返して……君の中にも、百合子の中にも、私や千歳と同じ先祖の血が脈々と流れている。」
強い酒で喉と舌を湿らせると、千秋はそんなことを言い出した。
「……だからって……わたくしの罪は変わりませんわ。」
極上のバーボンが、領子の心をわずかに開かせた。
しょんぼりそう言った嫁がかわいくて、千秋は笑った。
「そうだね。……それに、私は1年かけて、そんな風に思えるようになったが……うちの奥さんは、他人だからねえ。烈火の如く怒り狂って、君たちを追い出してしまうだろうよ。……だから、頼む。隠し通しておくれ。私は、百合子も、君も、本当にかわいくてしかたないんだよ。いつまでも橘の人間でいてくれ。」
「お義父さま……。」
領子は涙を浮かべて、千秋を見つめた。
「……まったく……息子の趣味が私には全然わからんよ。」
こんなに美しい女性を妻にして……どうして、男に走るんだ……。
そんなにも……女性を……いや、領子さんを、信じられないのか?
「……それは……わたくしが悪いのです。千歳さまは……素っ気ないようですが、気持ちのお優しい、善良なかたです。……わかっていますのに……。……たぶん、わたくしの心を、見抜いてらっしゃるのですわ。小さい頃から……わたくしは、千歳さまが怖かった。……見透かされているようで……。」
千秋は眉をひそめた。
「そんな頃から確執があったのかい?……そういや、昔、言ってたかな。領子さんには他に好きな男がいるって。……よほどショックだったのかな。」
「……。」
領子は口をつぐんでうつむいた。
……夫は知っていた……。
わたくしと竹原の仲を、疑っていた……初夜に、そんなことを言っていた……。
浮気してらっしゃるとも思えない。
……竹原は、千歳さまの遊びは把握できても、お義父さまには女性の影も男性の影もないと言っていたわ。
わたくしが……わたくしの立場で言えることではないけれど……お義父さまは、お幸せなのだろうか……。
「……領子さん。私たちはね、他人じゃないんだよ。……数え切れないほどの婚姻を繰り返して……君の中にも、百合子の中にも、私や千歳と同じ先祖の血が脈々と流れている。」
強い酒で喉と舌を湿らせると、千秋はそんなことを言い出した。
「……だからって……わたくしの罪は変わりませんわ。」
極上のバーボンが、領子の心をわずかに開かせた。
しょんぼりそう言った嫁がかわいくて、千秋は笑った。
「そうだね。……それに、私は1年かけて、そんな風に思えるようになったが……うちの奥さんは、他人だからねえ。烈火の如く怒り狂って、君たちを追い出してしまうだろうよ。……だから、頼む。隠し通しておくれ。私は、百合子も、君も、本当にかわいくてしかたないんだよ。いつまでも橘の人間でいてくれ。」
「お義父さま……。」
領子は涙を浮かべて、千秋を見つめた。
「……まったく……息子の趣味が私には全然わからんよ。」
こんなに美しい女性を妻にして……どうして、男に走るんだ……。
そんなにも……女性を……いや、領子さんを、信じられないのか?
「……それは……わたくしが悪いのです。千歳さまは……素っ気ないようですが、気持ちのお優しい、善良なかたです。……わかっていますのに……。……たぶん、わたくしの心を、見抜いてらっしゃるのですわ。小さい頃から……わたくしは、千歳さまが怖かった。……見透かされているようで……。」
千秋は眉をひそめた。
「そんな頃から確執があったのかい?……そういや、昔、言ってたかな。領子さんには他に好きな男がいるって。……よほどショックだったのかな。」
「……。」
領子は口をつぐんでうつむいた。
……夫は知っていた……。
わたくしと竹原の仲を、疑っていた……初夜に、そんなことを言っていた……。