いつも、雨
「あんたも一緒に来ぃひんか?」
「はあ……?」
要人は、何を言われたのかよくわからなかった。
どこへ?
誰が?
俺?
俺が東京へ……行って、どうするんだ?
キョトンとしている要人を置いてきぼりに、天花寺兄妹は大いに盛り上がった。
「素敵!」
「それいいね!おいでよ!どうせ、東京の進学校も受験するんやろ?」
……いや……確かに、受験は、する。
受験して合格すれば、けっこうな賞金がもらえる契約になっているから、日程的に可能な限り、難関校を受験する予定だ。
だが……あくまで、それは、合格することだけが目的だったのだが……。
「今の学校が好きなんか?」
大奥さまにそう尋ねられて、要人は困った。
「……好き嫌いとか、考えたこともありません。でも、学費免除だけじゃなく、かなりの奨学金を出してくれてるので、感謝はしています。」
当たり障りない回答を、大奥さまは鼻で笑った。
「あんたらしいわ。……まあ、そんなとこやろな。」
「……。」
それ以上でも以下でもないのだから、仕方ない。
早くに両親を亡くした要人にとって、金銭的な援助はありがたかったのだ。
……もっとも、今は鴨五郎のおかげでかなりの蓄財ができているのだが、このことは誰にも言ってない。
要人にとって、あの金は、ただの数字でしかない。
「ほな、今の学校よりええ条件の高校があれば、そっちでもええんやな?」
大奥さまは、にんまり笑った。
……既に、心当たりがあるということか。
要人は返答に窮した。
確かに、今の学校に特別な思い入れも未練もない。
世話になっている親類も、別に要人を邪険にしているわけではないが、必要とされているわけでもないのだから……後ろ髪を引かれることもない。
強いて言えば、この京都を離れることに、迷いがある。
小さな街だが、四季の美を存分に楽しめるこの京都を、要人は自覚していた以上に愛していた。
「私の昔馴染みが、理事長してはる学校法人やねんけどな、今度、東京にも学園を作らはってんけど、ネームバリューがなくってなあ。手っ取り早く、進学率とスポーツで実績を作ってはる最中なんや。……東大合格確実な優秀な人材は、喉から手が出るほど欲しいそうや。」
「はあ……?」
要人は、何を言われたのかよくわからなかった。
どこへ?
誰が?
俺?
俺が東京へ……行って、どうするんだ?
キョトンとしている要人を置いてきぼりに、天花寺兄妹は大いに盛り上がった。
「素敵!」
「それいいね!おいでよ!どうせ、東京の進学校も受験するんやろ?」
……いや……確かに、受験は、する。
受験して合格すれば、けっこうな賞金がもらえる契約になっているから、日程的に可能な限り、難関校を受験する予定だ。
だが……あくまで、それは、合格することだけが目的だったのだが……。
「今の学校が好きなんか?」
大奥さまにそう尋ねられて、要人は困った。
「……好き嫌いとか、考えたこともありません。でも、学費免除だけじゃなく、かなりの奨学金を出してくれてるので、感謝はしています。」
当たり障りない回答を、大奥さまは鼻で笑った。
「あんたらしいわ。……まあ、そんなとこやろな。」
「……。」
それ以上でも以下でもないのだから、仕方ない。
早くに両親を亡くした要人にとって、金銭的な援助はありがたかったのだ。
……もっとも、今は鴨五郎のおかげでかなりの蓄財ができているのだが、このことは誰にも言ってない。
要人にとって、あの金は、ただの数字でしかない。
「ほな、今の学校よりええ条件の高校があれば、そっちでもええんやな?」
大奥さまは、にんまり笑った。
……既に、心当たりがあるということか。
要人は返答に窮した。
確かに、今の学校に特別な思い入れも未練もない。
世話になっている親類も、別に要人を邪険にしているわけではないが、必要とされているわけでもないのだから……後ろ髪を引かれることもない。
強いて言えば、この京都を離れることに、迷いがある。
小さな街だが、四季の美を存分に楽しめるこの京都を、要人は自覚していた以上に愛していた。
「私の昔馴染みが、理事長してはる学校法人やねんけどな、今度、東京にも学園を作らはってんけど、ネームバリューがなくってなあ。手っ取り早く、進学率とスポーツで実績を作ってはる最中なんや。……東大合格確実な優秀な人材は、喉から手が出るほど欲しいそうや。」