いつも、雨
領子は、身体の奥に点ってしまった熱に顔を赤らめ、うつむいた。


……こうなることは……覚悟していたわ。


一夫と再婚してから、要人との逢瀬は激減したものの……途絶えることはなかった。


要人は、かつてのように領子の周辺を探らせ、外出する機会を狙って強引に連れ去り、抱いた。

初婚時とは違って、一夫との結婚生活は愛情と笑顔にあふれていて幸せなのに……領子は要人を拒絶することはできなかった。

これまで感じたことのなかった罪悪感に苛まれながらも……やはり、要人に抱かれる時間は……また異質な幸せに満たされた。



ずっと、竹原もこんな感じだったのかしら……。

奥さまやお子さん達を、家族を愛していながら、わたくしを執拗に求めていたあの頃……竹原は相反する2つの愛に、苦しみながら酔いしれていたのね……。


でも、今は……。



領子は、キッと要人を睨んだ。


今度は何だ?……と、要人は身構えた。


「先日、銀行のお食事会で、竹原の醜聞を伝い聞きましたわ。……祇園の芸妓さんにマンションを買ってあげたんですって?奥さまは、ご存じですの?」


「あぁ、そのこと。……いや、ちょっと違いますね。それは。順序が逆だな。」

しれっと、要人は言った。



領子の再婚をきっかけに、要人は変わってしまった。

それまで大切にしていた家庭を、どうでもいいとばかりにかえりみなくなってしまった。


……家族円満は、領子が出した関係継続の条件だったが……他の男にかっさらわれたことで、要人の忠心がいびつに歪んだ。


最初は、領子に対するあてつけだった。

しかし、そのうちに、いくら放蕩しても文句を言わない妻の佐那子に対しても、要人は憤懣を感じるようになった。


……俺が外で何をしようと、誰とヤろうと、関係ないってことか?


身勝手な苛立ちを解消する術もなく、要人は手軽な女達で憂さ晴らしをした。

素人玄人の別なく、社員にまで手を出すこともあった。


さすがに後処理が面倒だったらしく、秘書の原がキレた。

「社長の一時的な快楽で、真面目に生きている社員の人生を変えないでください。」

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