いつも、雨
懲りずに3羽めの青い鳥を育て始めたまいらに、正直なところ、要人も驚いた。
しかし、くどいというか、しつこいというか……家族も呆れる執着心を、今は少し興味深く眺めている。
誰に似たのやら、まったく……頑固な子だ。
要人の頬が緩んだのを見て、領子もまた微笑んだ。
「……ふふ。……まいらちゃん、竹原に似てらっしゃるのね。頼もしいわね。」
「はあっ?」
まさか自分に似てると言われるとは思ってもみなかった要人は、素っ頓狂な声を挙げた。
「あら。気づかなかったの?」
「……いやいやいや。あれは、おばあちゃんと父親べったりの、まだまだ、甘ったれた子供ですよ。」
要人の否定に、領子は首を傾げた。
「そうかしら?お話をうかがってると、しっかりしたお嬢さまのように思いますわ。うちの、絵に描いたようなイイ子の孫たちとは違って、既に信念を持ってらっしゃるように感じますわ。……ある意味、オトナと言うのかしら……。」
領子の言葉は、要人にとても新鮮だった。
改めて、まいらという人間を、孫としてではなく、一人の人間として……もっと言えば、社会人として有益な人物たりうるかどうか……鑑みるきっかけとなった。
要人も、ハッキリ自覚する程度には、老いた。
とっくに会社を後継者に任せて引退してもおかしくない年齢だ。
だが、要人にはどうしても、息子の義人に会社を託す気持ちにはなれない。
信頼に足る秘書の原に任せたいという気持ちも昔からあったが、原本人から拒否されて立ち消えてしまった。
……あまつさえ、原は義人を支えることを望んでいるという……。
それは要人の想いとはかけ離れている。
娘婿の天花寺恭匡や、百合子の夫の天花寺碧生になら継いでほしいという気持ちになったこともあるが……2人とも経営に興味がないとあっさり断わられてしまった。
結局、この先、会社をどうすべきか……決めかねたまま時だけが流れている。
しかし、一つの可能性として、孫娘を後継者に育てるというのは、どうだろうか?
あるいは……。
要人は、義人の血を分けたもう1人の孫のことを思い浮かべた。
とても美しく、優秀な娘に育った桜子……。
彼女を側に置くことはできるだろうか。