いつも、雨
要人は言葉を選び選び、口を開いた。
「……いや……そこまで、娘を想っていただいて、ありがとうございます。」
要人の言葉が聞こえてないかのように、恭匡は遠い目をしてつぶやいた。
「光くんがうらやましい。薫くんも。……僕も、ずっとそばにいたかったな……。」
……なるほど。
急に感傷的になった理由は、彼らの話を聞いたから、か。
いや、それだけじゃないか。
薫くんは、かつて由未の好きだった佐々木和也選手にサッカーの指導を受けていた。
多方面からナイーヴな心を刺激され、恭匡は落ち込んでしまったようだ。
要人は、かける言葉に迷った末、余計なことは言わず、ただ同調した。
「……そうですね。私も何度も後悔いたしました。その時その時で最良の選択をしてきたつもりなのですが……やはり、物理的に離れてはいけなかったと思います。……今さら、ですが。」
恭匡は何も言わなかった。
何を言ったところで、違う気がした。
要人と領子の関係については、言いたいことは山ほどある……気もするし、それこそ、今さら、何を言っても無駄なこともわかっている。
もちろん褒められたことではないし、2人の配偶者の気持ちを考えたら、ふざけるな!としか思えない。
……佐那子も、一夫も、イイヒトだから……。
しかし要人と領子の関係の深さと長さは、もはやナニモノも干渉できない域に達しているのだろう。
迷惑な話だが。
「しかしあの兄弟はおもしろいですね。」
要人の苦笑に、恭匡もまた微笑んだ。
「まあ、あのあおいちゃんのお子さんですからねえ。……それでも、曲がらず、ちゃんといい子に育ったのは、すべて頼之さんのおかげじゃないですか?」
ずいぶんな言われようだ。
しかしフォローのしようもない。
「桜子がいい子に育ったのも、彼らの……いや、光くんのおかげらしいですよ。」
「……みんな、いい子たちですね。幸せになってほしいものです。」
しみじみとそう言ってから、恭匡はすっくと立ち上がった。
「さて。参りましょうか。由未ちゃんがまた張り切って頑張り過ぎたら大変だ。」
「……ありがとうございます。」
偏執的とは言え、常に娘を想い心配してくれる娘婿に、要人はただただ恐縮するしかなかった。
「……いや……そこまで、娘を想っていただいて、ありがとうございます。」
要人の言葉が聞こえてないかのように、恭匡は遠い目をしてつぶやいた。
「光くんがうらやましい。薫くんも。……僕も、ずっとそばにいたかったな……。」
……なるほど。
急に感傷的になった理由は、彼らの話を聞いたから、か。
いや、それだけじゃないか。
薫くんは、かつて由未の好きだった佐々木和也選手にサッカーの指導を受けていた。
多方面からナイーヴな心を刺激され、恭匡は落ち込んでしまったようだ。
要人は、かける言葉に迷った末、余計なことは言わず、ただ同調した。
「……そうですね。私も何度も後悔いたしました。その時その時で最良の選択をしてきたつもりなのですが……やはり、物理的に離れてはいけなかったと思います。……今さら、ですが。」
恭匡は何も言わなかった。
何を言ったところで、違う気がした。
要人と領子の関係については、言いたいことは山ほどある……気もするし、それこそ、今さら、何を言っても無駄なこともわかっている。
もちろん褒められたことではないし、2人の配偶者の気持ちを考えたら、ふざけるな!としか思えない。
……佐那子も、一夫も、イイヒトだから……。
しかし要人と領子の関係の深さと長さは、もはやナニモノも干渉できない域に達しているのだろう。
迷惑な話だが。
「しかしあの兄弟はおもしろいですね。」
要人の苦笑に、恭匡もまた微笑んだ。
「まあ、あのあおいちゃんのお子さんですからねえ。……それでも、曲がらず、ちゃんといい子に育ったのは、すべて頼之さんのおかげじゃないですか?」
ずいぶんな言われようだ。
しかしフォローのしようもない。
「桜子がいい子に育ったのも、彼らの……いや、光くんのおかげらしいですよ。」
「……みんな、いい子たちですね。幸せになってほしいものです。」
しみじみとそう言ってから、恭匡はすっくと立ち上がった。
「さて。参りましょうか。由未ちゃんがまた張り切って頑張り過ぎたら大変だ。」
「……ありがとうございます。」
偏執的とは言え、常に娘を想い心配してくれる娘婿に、要人はただただ恐縮するしかなかった。