いつも、雨
義人は、肩をすくめて苦笑した。
「つまり、俺とお前は、そのうち親戚になるみたいやな。」
「はあ?」
まだ納得がいかない彩乃は、なおも質問を重ねようとしたが、別の招待客に声をかけられ、余所行きの顔で、そちらへと足を向けた。
義人は愉快そうに笑って……それから、桜子に真顔で言った。
「ごめん。了承なしで、さっちゃんを娘って言うてしもた。薫くんも。ごめんな。」
……今さら謝られても……。
「て、確信犯やん。そのつもりで俺らを連れてきよったんやろ?」
呆れ顔の薫の言葉に、桜子もうなずいた。
義人はニコッと笑顔になった。
「うん、まあ、そうやな。……この後、いろんな人に声かけられるやろけど、めんどくさかったら、会場出て光くんといたらいいわ。」
すぐそばに、いかにもそれなりの立場っぽいおじさんが近づいてきて、義人に挨拶をした。
桜子と薫は、それを機に義人のそばを離れた。
……なるほど……周囲の視線が……自分たちに注がれていることに初めて気づいた。
緊張する桜子の手を取り、薫は人垣をものともせず、まっすぐ突っ切った。
そして、やはり挨拶に回っている菊乃に声をかけた。
「菊乃ー!おーい!菊乃ー!」
大きな会場でたくさんの人たちが談笑しているとは言え、大声を出せば目立つ。
薫は、また新たな注目を集めた。
呼ばれた菊乃は薫を見て、ギョッとしたようだ。
「ちょ、やめてーや。しいっ。何であんたがここにいるん?」
見るからに大和撫子な美女の菊乃のフランクな口調に、桜子は驚いた。
顔と言葉が一致していない……。
「何でって。舞台も観たで。あ、紹介するわ。覚えとーけ?桜子。」
薫のおおざっぱな紹介に、桜子は慌てて頭を下げた。
「桜子です。こうしてお話しするのは初めてですね。でも、園遊会で舞ってらしたのを覚えてます。今日の舞台も、素敵でした。」
「……ご丁寧に、ありがとうございます。芳澤菊乃と申します。」
別人のように取りすました声に驚いて、顔を上げた。
菊乃は、慇懃無礼なまでに深々とお辞儀をしたあと、桜子をねめつけていた。
……私……なんか……睨まれてる?
「つまり、俺とお前は、そのうち親戚になるみたいやな。」
「はあ?」
まだ納得がいかない彩乃は、なおも質問を重ねようとしたが、別の招待客に声をかけられ、余所行きの顔で、そちらへと足を向けた。
義人は愉快そうに笑って……それから、桜子に真顔で言った。
「ごめん。了承なしで、さっちゃんを娘って言うてしもた。薫くんも。ごめんな。」
……今さら謝られても……。
「て、確信犯やん。そのつもりで俺らを連れてきよったんやろ?」
呆れ顔の薫の言葉に、桜子もうなずいた。
義人はニコッと笑顔になった。
「うん、まあ、そうやな。……この後、いろんな人に声かけられるやろけど、めんどくさかったら、会場出て光くんといたらいいわ。」
すぐそばに、いかにもそれなりの立場っぽいおじさんが近づいてきて、義人に挨拶をした。
桜子と薫は、それを機に義人のそばを離れた。
……なるほど……周囲の視線が……自分たちに注がれていることに初めて気づいた。
緊張する桜子の手を取り、薫は人垣をものともせず、まっすぐ突っ切った。
そして、やはり挨拶に回っている菊乃に声をかけた。
「菊乃ー!おーい!菊乃ー!」
大きな会場でたくさんの人たちが談笑しているとは言え、大声を出せば目立つ。
薫は、また新たな注目を集めた。
呼ばれた菊乃は薫を見て、ギョッとしたようだ。
「ちょ、やめてーや。しいっ。何であんたがここにいるん?」
見るからに大和撫子な美女の菊乃のフランクな口調に、桜子は驚いた。
顔と言葉が一致していない……。
「何でって。舞台も観たで。あ、紹介するわ。覚えとーけ?桜子。」
薫のおおざっぱな紹介に、桜子は慌てて頭を下げた。
「桜子です。こうしてお話しするのは初めてですね。でも、園遊会で舞ってらしたのを覚えてます。今日の舞台も、素敵でした。」
「……ご丁寧に、ありがとうございます。芳澤菊乃と申します。」
別人のように取りすました声に驚いて、顔を上げた。
菊乃は、慇懃無礼なまでに深々とお辞儀をしたあと、桜子をねめつけていた。
……私……なんか……睨まれてる?