いつも、雨
たじろぐ桜子の肩を薫が抱き寄せた。
「光も来とるんやろ?せっかく桜子も一緒やし、喋ってくるわ。菊乃も来るけ?」
「行く!」
「今はダメだよ。菊ちゃん。お客さまへのご挨拶が終わってからのお約束でしょう?」
菊乃の即答を遮るように、そばにいたイケメンがたしなめた。
若手歌舞伎俳優の中村如矢(ゆきや)だった。
テレビでも見かけるセレブに怒られても、菊乃は頬を膨らませて如矢を睨んでいた。
****************************************************************
結局、桜子と薫は、早々に会場を出た。
光は廊下のソファにおさまって居眠りをしていた。
「起こしたらかわいそうかな?」
桜子のごくごく小さなつぶやきで、光はぱっちりと目覚めた。
「さっちゃん!?え?薫も?どうしたの?」
驚く光の前に、2人は並んで座った。
「どうもこうも。光くんに会いに来たの。……知らなかったな。光くんにあんなに綺麗な彼女がいたなんて。どうして今まで教えてくれなかったの?」
少し拗ねたような言い方になってしまったことに、桜子本人が一番驚いていた。
……とっくに光くんのとこは諦めて、吹っ切ってたはずなのに……ずっと内緒にされてたことがおもしろくなかったのかしら……。
光は、珍しく狼狽していた。
「いや、だって、そんな……。ええ?」
「……まあ……光の気持ちもわからんでもないけどな。」
しみじみとそう言ってから、薫は突っ込んだ。
「で、なんで、菊乃は桜子に敵意持っとーねん。光、菊乃に、桜子のこと、なんてゆーとんねん。」
冷静なようで、薫も苛立っていた。
菊乃が桜子を睨んでいたことも、桜子が菊乃のことで光を責めたことも、薫にはおもしろくなかった。
光は2人から責められ、ようやく事情を察知して、ため息をついた。
「……ごめんごめん。菊乃さん、初対面のとき、さっちゃんが綺麗だから、僕とさっちゃんの関係を誤解したんだよね。その時のイメージが強すぎるらしくて、未だにさっちゃんに対して対抗意識消えないみたい。なんか失礼なこと言っちゃったのかな?ごめんね。後でちゃんと叱っておくから。ほんと、ごめんね。」
「光も来とるんやろ?せっかく桜子も一緒やし、喋ってくるわ。菊乃も来るけ?」
「行く!」
「今はダメだよ。菊ちゃん。お客さまへのご挨拶が終わってからのお約束でしょう?」
菊乃の即答を遮るように、そばにいたイケメンがたしなめた。
若手歌舞伎俳優の中村如矢(ゆきや)だった。
テレビでも見かけるセレブに怒られても、菊乃は頬を膨らませて如矢を睨んでいた。
****************************************************************
結局、桜子と薫は、早々に会場を出た。
光は廊下のソファにおさまって居眠りをしていた。
「起こしたらかわいそうかな?」
桜子のごくごく小さなつぶやきで、光はぱっちりと目覚めた。
「さっちゃん!?え?薫も?どうしたの?」
驚く光の前に、2人は並んで座った。
「どうもこうも。光くんに会いに来たの。……知らなかったな。光くんにあんなに綺麗な彼女がいたなんて。どうして今まで教えてくれなかったの?」
少し拗ねたような言い方になってしまったことに、桜子本人が一番驚いていた。
……とっくに光くんのとこは諦めて、吹っ切ってたはずなのに……ずっと内緒にされてたことがおもしろくなかったのかしら……。
光は、珍しく狼狽していた。
「いや、だって、そんな……。ええ?」
「……まあ……光の気持ちもわからんでもないけどな。」
しみじみとそう言ってから、薫は突っ込んだ。
「で、なんで、菊乃は桜子に敵意持っとーねん。光、菊乃に、桜子のこと、なんてゆーとんねん。」
冷静なようで、薫も苛立っていた。
菊乃が桜子を睨んでいたことも、桜子が菊乃のことで光を責めたことも、薫にはおもしろくなかった。
光は2人から責められ、ようやく事情を察知して、ため息をついた。
「……ごめんごめん。菊乃さん、初対面のとき、さっちゃんが綺麗だから、僕とさっちゃんの関係を誤解したんだよね。その時のイメージが強すぎるらしくて、未だにさっちゃんに対して対抗意識消えないみたい。なんか失礼なこと言っちゃったのかな?ごめんね。後でちゃんと叱っておくから。ほんと、ごめんね。」