いつも、雨
幼少期からしょっちゅう行っていた京都とは言え、旅先でこんなに綺麗な女の子が独り行動なんて。
しかも行き先が、ホームレスの暮らす橋下だぞ。
「領子さま……。頼むから、自覚して。今までは子供やから1人で行動したらあかんってご両親から言われたきたやろうけど、これからは、もう子供じゃないんやから、お願いやから、1人で行動せんといて。」
要人の懇願を、領子はまばたきをぱちくりと忙しくしながら聞いて、それから不思議そうに首を傾げた。
「よく意味がわからないのですが……。」
……察しろよ。
舌打ちしたい気分だ。
てか……言わせたいのか?
要人は、顔をしかめて……なるべくクールに説明した。
「変な男が勝手に懸想して、妄想を膨らませて、現実的に領子さまに危害を加える可能性もあるからです。」
「……はあ。」
わかってるのかわかってないのか、領子はよくわからない返事をした。
のれんに腕押し、だな。
しばらく首を傾げていた領子が、ぱっと閃いたらしく、要人を見上げた。
何だ?
多少たじろぐ要人に、領子は笑顔で懇願した。
「でしたら、お兄ちゃんが送り迎えしてよ。運転手さんはとっくにいらっしゃらないし、他のお手伝いさんもお辞めになったから、ねえやはお家の用事をしてくださってて、以前のように私と一緒に登下校する時間なんてありませんもの。」
……なるほど……無邪気な顔で、確信犯というわけだ。
領子はうれしそうに両手を打った。
「そうだわ。そうしましょう。お母さまにお願いしてみますわ。ね?お願い。お兄ちゃん。」
「……竹原、です。」
要人は仏頂面でそう繰り返して、ため息をついた。
領子は、かなり頑固だ。
積極的にワガママを言う子ではないが、自分が納得しなければてこでも動かないところはある。
特に、要人の呼称については、よほど抵抗が強いのだろう。
領子は、思い立ったが吉日!とばかりに、荷解きをしている母のもとへとお伺いを立てに飛んで行った。
……やれやれ。
まさか、送り迎えを仰せつかるとは……。
知らず知らずのうちに、要人の頬が緩む。
まったく……かわいいというか……困ったお姫さまだ。
しかも行き先が、ホームレスの暮らす橋下だぞ。
「領子さま……。頼むから、自覚して。今までは子供やから1人で行動したらあかんってご両親から言われたきたやろうけど、これからは、もう子供じゃないんやから、お願いやから、1人で行動せんといて。」
要人の懇願を、領子はまばたきをぱちくりと忙しくしながら聞いて、それから不思議そうに首を傾げた。
「よく意味がわからないのですが……。」
……察しろよ。
舌打ちしたい気分だ。
てか……言わせたいのか?
要人は、顔をしかめて……なるべくクールに説明した。
「変な男が勝手に懸想して、妄想を膨らませて、現実的に領子さまに危害を加える可能性もあるからです。」
「……はあ。」
わかってるのかわかってないのか、領子はよくわからない返事をした。
のれんに腕押し、だな。
しばらく首を傾げていた領子が、ぱっと閃いたらしく、要人を見上げた。
何だ?
多少たじろぐ要人に、領子は笑顔で懇願した。
「でしたら、お兄ちゃんが送り迎えしてよ。運転手さんはとっくにいらっしゃらないし、他のお手伝いさんもお辞めになったから、ねえやはお家の用事をしてくださってて、以前のように私と一緒に登下校する時間なんてありませんもの。」
……なるほど……無邪気な顔で、確信犯というわけだ。
領子はうれしそうに両手を打った。
「そうだわ。そうしましょう。お母さまにお願いしてみますわ。ね?お願い。お兄ちゃん。」
「……竹原、です。」
要人は仏頂面でそう繰り返して、ため息をついた。
領子は、かなり頑固だ。
積極的にワガママを言う子ではないが、自分が納得しなければてこでも動かないところはある。
特に、要人の呼称については、よほど抵抗が強いのだろう。
領子は、思い立ったが吉日!とばかりに、荷解きをしている母のもとへとお伺いを立てに飛んで行った。
……やれやれ。
まさか、送り迎えを仰せつかるとは……。
知らず知らずのうちに、要人の頬が緩む。
まったく……かわいいというか……困ったお姫さまだ。