いつも、雨
そんな領子の心がけがいじらしくて……要人は領子の望みなら何でも叶えたいと、より強く思っている。
ゴールデンウィーク中、毎日、東京・京都を往復するとか……言われるまでもなく、度が過ぎている。
もちろん、仕事もからめるし……、未だにつかめない鴨五郎の消息も探しているけれど。
……鴨五郎から預かった貸倉庫の鍵は、未だに持ったままだ。
何度か近くまでは行っているのだが、その都度、素通りしてきた。
柄の悪いヤクザのような男達が、車の中から貸倉庫の入口を見張っている。
それが鴨五郎と関係しているかどうかは、わからない。
だが、直感的に「まずい」と思った要人は、ただの通行人のふりをした。
その後も、車種や人物は変われど、如何にも柄の悪い男達が常にいるので、機会を逸している。
「……難しい顔、してらっしゃるわ。眉間に皺。……お仕事、うまくいってらっしゃらないの?」
タクシーの中、小声で領子がそう尋ねた。
要人は、思わず眉間を指でなぞって、それから苦笑して見せた。
「いや。そっちは順調。……探し人が、見つからなくってね。鴨五郎のおっちゃん。どこ行ってんろうなあ。」
「鴨五郎さん……。お元気かしら?」
2人でそんなことを言い合っていると、遠慮がちに運転手が口を開いた。
「あのぉ……鴨五郎て、有名なホームレスですか?鴨川の。」
思わず顔を見合わせた。
「はい!そうです!」
「ご存じですか?」
口々にそう尋ねると、運転手は驚いた顔をして、ミラーで2人を見た。
「や。知ってるゆーほどは、知りません。ここ数年、姿を見せへんので、死んだんちゃうかて言われてますけど、あの噂、ほんまやったらしくて……」
「あの噂って、なあに?」
「ほら、ほんまは金持ちで立派な家もあるのに、ホームレスしてるっていう噂。当たらずとも遠からず、だと思うよ。実際、金に不自由してなかったっぽいし。」
要人が領子にそう説明するのを聞いて、運転手は大きくうなずいた。
「そうそう!そうなんですよ!てっきりのたれ死んだ思ってたんやけど、同僚が病院まで送迎したそうなんですよ。」
「送迎って……自宅から病院ってことですか?」
ゴールデンウィーク中、毎日、東京・京都を往復するとか……言われるまでもなく、度が過ぎている。
もちろん、仕事もからめるし……、未だにつかめない鴨五郎の消息も探しているけれど。
……鴨五郎から預かった貸倉庫の鍵は、未だに持ったままだ。
何度か近くまでは行っているのだが、その都度、素通りしてきた。
柄の悪いヤクザのような男達が、車の中から貸倉庫の入口を見張っている。
それが鴨五郎と関係しているかどうかは、わからない。
だが、直感的に「まずい」と思った要人は、ただの通行人のふりをした。
その後も、車種や人物は変われど、如何にも柄の悪い男達が常にいるので、機会を逸している。
「……難しい顔、してらっしゃるわ。眉間に皺。……お仕事、うまくいってらっしゃらないの?」
タクシーの中、小声で領子がそう尋ねた。
要人は、思わず眉間を指でなぞって、それから苦笑して見せた。
「いや。そっちは順調。……探し人が、見つからなくってね。鴨五郎のおっちゃん。どこ行ってんろうなあ。」
「鴨五郎さん……。お元気かしら?」
2人でそんなことを言い合っていると、遠慮がちに運転手が口を開いた。
「あのぉ……鴨五郎て、有名なホームレスですか?鴨川の。」
思わず顔を見合わせた。
「はい!そうです!」
「ご存じですか?」
口々にそう尋ねると、運転手は驚いた顔をして、ミラーで2人を見た。
「や。知ってるゆーほどは、知りません。ここ数年、姿を見せへんので、死んだんちゃうかて言われてますけど、あの噂、ほんまやったらしくて……」
「あの噂って、なあに?」
「ほら、ほんまは金持ちで立派な家もあるのに、ホームレスしてるっていう噂。当たらずとも遠からず、だと思うよ。実際、金に不自由してなかったっぽいし。」
要人が領子にそう説明するのを聞いて、運転手は大きくうなずいた。
「そうそう!そうなんですよ!てっきりのたれ死んだ思ってたんやけど、同僚が病院まで送迎したそうなんですよ。」
「送迎って……自宅から病院ってことですか?」