君の声が、僕を呼ぶまで
「小春、智秋ー」

桜子が呼んだ。

僕等は、他愛も無い話をして大事な時間に彩りを付けて過ごす。


3人だけの秘密のチャットルームは、自然と使わなくなった。

僕等の声は、この世界で響き合う。

僕等の声は、世界を越えて、他の誰かにも届く。


心地よかったあの無機質な空間が、そのまま現実の世界に移った。

ただ、それだけの事。


「あれ、そういえば…」

僕はふと思い出す。

「ずっと、おかしいなって思ってた事があって」

「何?」

2人が首を傾げる。


「あのROOMのシステム上、ありえないって思ってたんだけど…」
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