幼馴染と溺愛!?疑似結婚生活!
「貴方より身長は小さかったし、一つ下だったからね。幼いなりに必死に貴方を守ろうとしてたのかしらね。視線だけはいつも迷いなく貴方だけだったのよ。ずっと一緒に遊んでて気付かなかったの?」
きょとんとした園長先生の顔に、正直言って戸惑う。
本当に知らない。私には、いつも睨まれていた記憶しかない。
「まだ分からないみたい。今のままなら七村先生より婚期が遅そうね」
「え、園長先生っ」
「いいんじゃないかしら。葵くんを一緒にお世話して、自分の気持ちを育てるのも」
園長先生は朗らかに笑って、簡単に言ってくれた。
そんな簡単なものではない。
今まで苦手だと思っていた人と一緒に住むなんて、そんな簡単な話ではないはずだ。
「はあ。いいなあ。あんな格好いい幼馴染、私も欲しい」
ただ、――そう言われてしまうと何故か胸が擽ったい。
大嫌い――とまではいかないけれど、私には飛駒はまだよくわからない。
睨む、意味不明な言葉で混乱させる。なのに傍に居たいという。
だから今、車が遠ざかったのに、消えて視界から見えないのに、胸がドキドキしている。