幼馴染と溺愛!?疑似結婚生活!

瞳さんにまで言われてしまったら、嫌だとは言えない。
それに飛駒が手続きに動いてくれたのは本当で、迅速だったから助かったのも本当だ。

「マンションにはうちの親に来てもらって葵を送るから。お願いできる?」
「……はい。分かりました」

へらりと笑った。どうか渋々だった私の気持ちが見えませんように。

自転車で寒い風を切りながら、マンションへ向かう。
いつもの見慣れた景色を通り過ぎながら、私は今の飛駒を何も知らないことに改めて気付かされた。

県外の医大に進んだのは知ってたけど、こっちで開業したのは知らなかった。
じゃあ今はどこに住んでるの? 実家?
それすらも知らない。
知ろうとしなかった。

だって私が飛駒を思いだすとしたら、いつも睨んで怖い顔をした飛駒だから。

幼馴染だからと言って、お兄ちゃんたちみたいに皆が皆、以心伝心、相思相愛、仲良しではない。
近くに居るからこそ、分からない存在。
離れたいと思う存在。

そんな相手って一体どんな関係だと言えるのだろうか。

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