幼馴染と溺愛!?疑似結婚生活!

目を閉じているだけで、あのぴりぴりとした空気を感じない。
無防備に寝る姿を見て、この人は私が部屋に入ってくる可能性もあるのに平気なんだと気付いた。
私の事を一方的に、信じ過ぎてると言うか。

「……私は、飛駒が眼鏡をするのも知らなかったのに」

学校は中学まで一緒だったけれど、学年が一つ違えば授業中の様子も分からないものね。

大きな身体を縮ませて、寝息を立てる飛駒を見たら、なんだか昔と変わりすぎていて混乱する。

けどきっと私は、今の飛駒をもっと見ておくべきだと思った。

小さな布団の中に縮まっているので、すぐに葵くんの部屋に行き、大人用の布団を持ってリビングへ向かう。

すると、布団で前が見えず何かを蹴飛ばすと盛大に扱けてしまった。

くるくると飛んで行ったスリッパが、ちょうど飛駒の手の本に当たって落ちた。

が、飛駒は起きなかった。

「……こんなところに段ボールなんてあったっけ?」

きっと飛駒の荷物だろう。
自分の鈍さに落ち込みつつ、布団をかぶせた。

そしてご飯の準備。
ご飯を炊いて、今日は何を作ろうか。
冷蔵庫を覗きに向かうと、するりと腕が伸びてきた。

「もう行っちゃうの?」
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