幼馴染と溺愛!?疑似結婚生活!

「疑ってるだろ。でもな、俺だって初恋の女を前にして緊張しないわけないだろ」

「は? 初恋? 私が? 苛めてただけだし!」

「だ、か、らー」

言いかけた飛駒の声は、携帯の着信音によって遮られた。

私と飛駒の距離を裂いてくれる様な、ピリリとした音。
飛駒は私を一度だけ睨んだ後、電話に出た。

「何?」

……女性?
医者でイケメンでの飛駒だから彼女だって居てもおかしくないよね。うん。
冷蔵庫を開けて、何が作れるか眺めながらも耳は飛駒の方へ吸い寄せられていく。

聞かれたくないなら、せめて違う部屋に行ってくれないかな。

よし。鳥のミンチとレンコンでハンバーグだ。
あのシャリシャリした食感は、神の領域だと思うんだよね。

「は? それはマズイだろ」
「!?」

私の心を読みとったのかと振り返ったら、飛駒は頭を抱えていた。

「いや、まあそうだけど。……そうだから問題はねえけど、さあ」

歯切れの悪い言葉が並んでいく。
これは別れ話しがもつれてる?

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