幼馴染と溺愛!?疑似結婚生活!


男の子の要望に、楽しそうに聞いてくれて、飛駒が優しい笑顔を向けている。

本当にこの人は、子どものとき私を睨んでいたあの飛駒だろうか。
名前だけ一緒で、飛駒のふりをした人だったりして。

「何をじろじろ見てんの?」
「え、や、見てないよ。あずまくん見てたの」

「――本当? 俺と結婚したらこんな良い父親になるって思っちゃったりしてない?」

「……」

前言撤回。
やっぱり私に意地悪だったあの飛駒だった。きっと、大人になるにつれて擬態を学んだんだろう。
自分から良い父親になるなんて言う人、信用できるか。

「俺は、更に美結を好きになったよ」
「なんで!?」
「迷子の子供にも、あったかい言葉を言えるのってさ、きっと美結の心が優しいんだろうなって」

あずまくんは辺りをきょろきょろしていて、私たちの会話に耳も傾けていなかった。
だから、飛駒が私の顔を真っ直ぐに見ていることも知らない。

「きっと美結の子どもに生まれたら幸せだろうな」

「そ、そんなことないし」

「その父親が俺だったら、嬉しいんだけど」

< 74 / 172 >

この作品をシェア

pagetop