幼馴染と溺愛!?疑似結婚生活!
その翌朝だったろうか。
カタンと小さく玄関が鳴ったのは、まだ日が昇っていないころだった。
私が葵くんのお弁当を作ろうと起きた時には、家には飛駒の姿がなかった。
代わりに冷蔵庫にメッセージが貼りつけられていた。
『美結と葵へ。急患が入ったので呼ばれてきます。ラインじゃ通知音で起こしたら申し訳なかったから手紙です。午後は待ってるから来いよ』
「……うわあ」
折角の休みなのに、もう予定決められちゃったじゃない。
葵くんもすっかり昨日の時点で洗脳されている。
逃げられないとはこのことだ。
「おねえちゃん、おはよう」
「おはよう! 早いねっ」
「うん。いいこにするよ。あかちゃんねこみたいもん」
目を擦りながら起きてきた葵くんはすぐに洗面台へ向かい、戻ってきた時には目を輝かせていた。