幼馴染と溺愛!?疑似結婚生活!


「きょう、ねこさん、みにいっていいんだよね?」
おずおずと葵くんに言われて、私は頷く。

「たのしみ!」
葵くんは目を輝かせたまま幼稚園バスに乗り込んだのだから逃げられない。

「……」

冷蔵庫を開けて材料を取り出しながら、気持ちがざわざわする。
葵くんが行きたいからとか、目を輝かせてたからとか。
飛駒が強引だからとか、私がどう言えば行くって分かってるからとか、理由を並べてみてもそれは、必死で考えた理由なだけで。

私は必死に、自分から行くではなく、仕方なく行く理由を考えている。

それは、真っ直ぐに気持ちをぶつけてくる飛駒とは正反対で卑怯で、恥ずかしい。

恥ずかしいんだけど、どうしていいのか分からない。

どうして私の気持ちは中途半端に留まってるんだろう。

飛駒の喜ぶ顔を見ながら作るお弁当。

スーパーで見せた、あの飛駒の喜ぶ顔みたいに、ついつい私の手は飛駒が喜ぶようにとお弁当を作っていた。


これはもう、自分では認めたくないけれど認めないといけないところまで来ているように思えてきた。
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