幼馴染と溺愛!?疑似結婚生活!
「でも」
待合室に座っている人たちの視線が怖いと言いたかったが、飛駒の視線はキラキラと嬉しそうに輝いていた。
「いいから。俺が来てほしいって言ったんだし。奥に居て。子猫もいるよ」
俺が来てほしいって言った。
その言葉に心が動揺し流されるまま奥へと案内されたのだった。
「あとはそこで寝てる髭の人に聞いて」
ドアを閉めながら、飛駒が急いで診察室へ向かう。
忙しくないと言っていたのに、この慌てよう。きっと本人も予想していなかったに違いない。
「あっと、美結」
閉めかけていたドアを中途半端に止めて、顔を出す。
「ありがとな」
少年のように笑った飛駒は、その言い残すとバタバタと走って行く。
静かに閉まる音と反比例した私の心臓は、未だにクエスチョンマークを浮かばせている。
あんな、花が飛び散るように笑う飛駒は知らない。
びっくりしてしまった。
「アンタが飛駒の奥さん?」