小倉ひとつ。
「ああ、そうだ。お願いしようと思ってたんだけど」
「うん、なに?」
「かおりこれやってる?」
「やってる」
明るくしてくれた画面に映っていたのは大衆にすっかり普及しているメッセージアプリで、頷きつつスマホを取り出す。
「交換しない? メールじゃなくてこちらの方が連絡取りやすいでしょう」
「するする!」
QRコードを読み取りつつ、お互い適当にスタンプを押す。
「アイコン素敵だね。成人式?」
「うん。そのうち変えようかなと思ってるんだけれど、まだいいかなあって」
アイコンは成人式の日に自然光が綺麗なところで小さく横顔を撮って、それに淡いフィルターをかけたものを使っている。
顔が分かる方がお互いゼミの連絡がしやすかったから、ひとまず私のゼミの人はみんな自分の顔をアイコンに設定していた。
「そっか。変えるなら何にするの?」
「決まらなくて。何がいいと思う?」
「たい焼き」
即答した要さんに笑いながら、顔じゃないものにしたいんだ、という話をした。
友達とか恋人とかとお揃いのアイコンに憧れがあるので、同じたい焼きにできたら嬉しい、とはちょっと言えなかったけれど。
「うん、なに?」
「かおりこれやってる?」
「やってる」
明るくしてくれた画面に映っていたのは大衆にすっかり普及しているメッセージアプリで、頷きつつスマホを取り出す。
「交換しない? メールじゃなくてこちらの方が連絡取りやすいでしょう」
「するする!」
QRコードを読み取りつつ、お互い適当にスタンプを押す。
「アイコン素敵だね。成人式?」
「うん。そのうち変えようかなと思ってるんだけれど、まだいいかなあって」
アイコンは成人式の日に自然光が綺麗なところで小さく横顔を撮って、それに淡いフィルターをかけたものを使っている。
顔が分かる方がお互いゼミの連絡がしやすかったから、ひとまず私のゼミの人はみんな自分の顔をアイコンに設定していた。
「そっか。変えるなら何にするの?」
「決まらなくて。何がいいと思う?」
「たい焼き」
即答した要さんに笑いながら、顔じゃないものにしたいんだ、という話をした。
友達とか恋人とかとお揃いのアイコンに憧れがあるので、同じたい焼きにできたら嬉しい、とはちょっと言えなかったけれど。