私のご主人様Ⅱ
「静かに動け。琴音にも悟られるな」
「「「「「はい!!」」」」」
季龍の言葉で話し合いは終わる。気づけば時刻は午前2時を指していた。
ぞろぞろと腰を上げる組員たち。
広間を出ていく組員たちを見つめていた季龍は、その流れに乗る奏多と暁を見つけると声をかけ、呼び寄せる。
何事かと顔を見合わせながらも前に来た2人を座らせた季龍は、琴音のことだがと前振りをして口を開く。
「メディアに家出として顔が出された。琴音に知られないように注意しろ」
「テレビも新聞も、インターネットさえ使わせていませんよ」
「あぁ。これからもそうしろ」
「分かっています。…若、琴音ちゃんには本当になにも言わないつもりですか?」
「当たり前だ。あいつに教える筋合いもないだろ」
「…そうですね。忘れてください」
奏多は頭を下げると、今度こそ部屋を出ていく。暁も頭も下げて奏多に続く。