旦那様と契約結婚!?~イケメン御曹司に拾われました~



「いただきまーす……」



ひと口食べれば、シャリ、とした食感のシャーベットが口の中の体温で溶ける。

じんわりと舌に伝う枇杷の甘さとはちみつのまろやかさ、白ワインの味がアクセントになって……。



「っ~……おいしい!!」



幸せな気持ちに顔をほころばせると、彼の顔も嬉しそうに微笑む。



……こういう表情を見せる時は、優しい人だと思うんだけどなぁ。

自分のホテルの商品を褒められたから嬉しそうにしてるだけ、なんだろうけど。



でも、こうした彼の笑顔も、この胸に感じる幸せな気持ちも、すべては美味しいものたちが繋いでくれている。

美味しいものは、身も心も満たしてくれる。幸せを、与えてくれる。

だからそれだけがあればいい。



恋人なんていらない。

我慢したり、縛ったり縛られたり、そんな相手といるくらいなら、ひとりでも美味しいものを食べたほうが幸せだ。



そう。だから、これでいいの。



今日も私は、食べるために生きていくの。





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