旦那様と契約結婚!?~イケメン御曹司に拾われました~
「へ、変ですか?」
「いえ、なんというか……馬子にも衣装ですね」
「それ褒めてます!?」
いや、バカにされてる!
檜山さんが『素敵ですね』なんてお世辞でも言ってくれないのは、まだ会って2回の私でも予想できたけどさ……この調子だと、玲央さんにも笑われるな。
『馬子にも衣装だな』と檜山さんと同じセリフを言って、鼻で笑われるのが想像ついた。
「行きますよ。立花社長は会場で待ってるそうなので」
「あっ、はい」
檜山さんにそう急かされ、お店の女性の「ありがとうございました~」という声に送り出されながら、私はお店を後にした。
そして車で少し行った先にある、六本木にある『東京国際ホテル』と書かれた大きなホテルの前で檜山さんは車を停めた。
「立花社長が中にいると思いますから、あとは立花社長に従ってください」
「檜山さんは帰っちゃうんですか?」
「まだ会社で仕事の残り片付けるんですよ。仕事のうちとはいえ、あなたのお供のおかげで残業です」
うっ……すみません。
はぁ、と嫌そうにため息をつく檜山さんに、シートベルトを外しながら小さく謝る。
「いいですね。くれぐれも会社の品位を保った行動をすること。欲望のまま食事をするなんてもってのほかですからね」
「き、肝に銘じます……!」
私の食欲をよく知っている彼は、じろりと睨んで言い聞かせる。
そうだ、今日は玲央さんの付き添いだもん。美味しそうなものがあっても我慢しなきゃいけないんだ。
我慢、我慢。食べるとしても食べ過ぎないように。
そう自分に言い聞かせながら檜山さんにお礼を言うと、車を降りて大きな入口へと向かった。