旦那様と契約結婚!?~イケメン御曹司に拾われました~
「あ!そういえばドレスのお金って、もしかして給料天引きですかね……!?」
「なわけあるか」
本気の顔で問う私に、玲央さんは呆れた顔をする。
「俺が出す。今日の残業代とでも思え」
「え!?い、いいんですか?こんな高いの……」
「そんなに自腹で払いたいなら払わせてやってもいいけど」
払えないことが分かっていて、そう意地悪な言い方をして笑う彼に、私は「うぅ」とそれ以上の言葉を飲み込む。
そんな反応に満足げに笑みを見せると、玲央さんはホールの入口に目を留めた。
「あの、私パーティーとか初めてでマナーとか分からないんですけど」
「別に細かいことは気にするな。俺と腕組んで胸張って歩いて、あとは笑顔でいればいい」
「けど、」
不安を言葉にしようとする私に、玲央さんは私の腰へ手を回して顔を近づけると、耳元でそっと囁く。
「誰が見ても綺麗だ。だから大丈夫、堂々としてろ」
それは、私を自信づけるひと言。
『綺麗だ』
『大丈夫』
そう伝える低い声に心臓はドキ、と強く音を立てて、あなたがそう言ってくれるのなら、と背筋が真っ直ぐ伸びた。