旦那様と契約結婚!?~イケメン御曹司に拾われました~
玲央さんの腕にそっと腕を絡め、頭ひとつ近く高い背の彼と並んで歩く。
ずらりと料理が並べられた、白いクロスがかけられたテーブルが並ぶ広々としたホールの中を一歩一歩歩いて行くと、周囲の人々の視線がこちらへ向くのを感じた。
「見て、立花社長よ」
「素敵~……でもあの隣にいるの誰?恋人はいないって聞いてたけど」
ひそひそと聞こえる声の間にもチクチクも刺さる視線。それらに引きつりそうになる笑顔を必死に保つ。
み、見られてるなぁ……!
緊張感に、つい玲央さんのスーツの袖をぎゅっと握る。
「どうも、立花社長。今日も女性の注目の的で羨ましいですな」
「向後社長。どうも」
声をかけてきた細身の中年男性は、親しい相手なのか、からかうように言って笑うと玲央さんを見て私を見た。
「おや、そちらは?」
「あ……えと、」
「婚約者の杏璃です。こういった場には初めて同行しましたので、ちょっと緊張してしまっていて」
『婚約者』、そう紹介され、恥ずかしさに心臓がドキッと跳ねるけれど、表情には出してしまわないようにぐっと堪えて笑顔を作る。