旦那様と契約結婚!?~イケメン御曹司に拾われました~
「へぇ?じゃあ本当にまずくなるか試してみれば?はい、フォーク持って、ひと口食べて」
言われるがまま、フォークを持って、サーモンとアボカドをぱく、と食べる。
うん、柔らかなふたつの味が口の中で溶け合って、そこにまたドレッシングがよく絡んで……。
「美味しい……」
はぁ、と幸せな笑みをこぼし味を噛み締めた私に、目の前の彼はフフンと笑う。
って、はっ!のせられた!
けど、ひと口食べてしまえばもう止まらなくて……。
残したらもったいないから!作ってくれた人にも食材にも失礼だから!そう自分に言い聞かせるようにもぐもぐと続けて食べた。
「つーかさ、お前……杏璃、だっけ?立花の婚約者って言ってなかったっけ」
「はっ!!」
そ、そうだった!
言われてからようやく思い出す。そうだ、先日のパーティーで玲央さんは私を婚約者として紹介していた。
それはもちろん関さんに対してもそうで……まずい、嘘だってバレた!!
「浮気、って感じでもないし……あ、もしかして婚約者なんて嘘だったとか?」
心を読むようなそのひと言に、ギク、と心臓が嫌な音を立てる。
婚約者が嘘だと認めることも出来ない。
けど、婚約者だと貫き通しても『立花の婚約者が浮気してる』と噂を立てられたらそれもまずい。
だらりと背中に嫌な汗をかき、フォークを持つ手を止める私に、彼はにこにこと笑みを浮かべた。